代襲相続とは?親が亡くなった場合の孫の権利について解説

こんにちは。世田谷・三軒茶屋相続相談センターの相続診断士の乾です。「親が亡くなる前に子供が亡くなった場合、遺産はどうなるの?」といったご相談をよく受けます。このケースで重要になるのが**「代襲相続」**です。

今回は、代襲相続の仕組みや注意点、円満に遺産分割を進めるためのポイントをわかりやすく解説します。


第1章|代襲相続とは?

代襲相続とは、本来相続するはずだった人(例えば子供)が、被相続人(親)より先に亡くなっている場合に、その人の子(孫)が代わりに相続する制度です。
簡単にいえば、「親の代わりに孫が相続する」という仕組みです。

代襲相続が発生する条件

  • 本来の相続人が、被相続人の死亡時にすでに亡くなっている
  • 本来の相続人が、相続欠格や廃除で相続権を失った

つまり「子供がいない場合の孫の相続」とは少し違い、「親が亡くなる前に、相続するはずの子供が亡くなった」場合にのみ発生します。


第2章|代襲相続の具体例

たとえば、被相続人の家族構成が以下のような場合を想定します。

  • 被相続人(80代・父)
  • 長男(50歳・生前に死亡)
  • 長男の子(孫、25歳)
  • 次男(48歳)

父の相続が発生したとき、長男はすでに他界しているため、長男の相続分を孫が引き継ぐという流れになります。

法定相続分の例:

  • 配偶者:1/2
  • 残りの1/2を子供2人で分割

長男が存命なら、1/4ずつになりますが、長男が亡くなっているため、孫が1/4を相続する形になります。


第3章|代襲相続のポイントと注意点

代襲相続は便利な制度ですが、いくつか注意が必要です。

① 代襲相続は何代先まで可能?

民法では、代襲者(孫)がすでに亡くなっている場合、その子(ひ孫)も代襲する(再代襲)ことが認められています。
つまり、代襲は直系卑属(孫、ひ孫…)で続く限り認められます

② 代襲相続人が複数いる場合

長男に子が2人いる場合は、長男の相続分(1/4)を2人で均等に分けることになります。

③ 遺言書がある場合

遺言書で「長男にすべて相続させる」と書かれていても、長男が亡くなっていた場合は無効になることがあります。
ただし「長男が亡くなっていた場合は、その子に相続させる」と記載していれば有効です。


第4章|代襲相続で起こりやすいトラブル

代襲相続は法律上はシンプルですが、現場では以下のようなトラブルが発生しやすいです。

① 孫と他の相続人の間で揉める

孫は相続人であることを知らないケースも多く、「当然に親がもらうものだと思っていた」という誤解から揉めるケースがあります。

② 代襲者が多いと分割が複雑になる

ひ孫やその子まで代襲が続くと、相続人が多数になり、話し合いが難航します。

③ 被相続人の意思が不明

遺言書がなければ「本当に孫に渡してよかったのか」という疑念が残り、親族間で感情的な対立が起きやすいです。


第5章|代襲相続の節税対策

代襲相続をうまく活用することで、相続税の負担を軽減することも可能です。

① 孫への相続は相続税が高い?

実は、孫が代襲相続する場合は「相続人」として扱われるため、2割加算の対象にはなりません(養子や遺贈の場合は加算される)。

② 小規模宅地等の特例や配偶者控除

孫が相続人になっても、配偶者や直系卑属として各種特例を活用することができます。
ただし、複雑なケースでは専門家に確認が必要です。


第6章|代襲相続をスムーズに進めるために

代襲相続のトラブルを防ぐためには、以下のような準備が重要です。

① 遺言書を作成する

「長男が先に亡くなった場合は、その子に相続させる」と明記しておくことで、無用なトラブルを回避できます。

② 家族で話し合っておく

相続が発生する前に、代襲相続の可能性や割合について家族で共有しておくことが大切です。

③ 専門家に相談する

相続は一度きり。税金や登記、分割協議の手続きなど、プロのサポートを受けることでスムーズに進められます。


第7章|実際の相談事例

当センターにご相談いただいた世田谷区の事例をご紹介します。

ご相談者:60代女性
被相続人:80代父
子供2人のうち、長男が生前に他界
孫が2人いる状況で父が亡くなったため、孫2人が代襲相続人となった。

ご相談当初、孫は「相続権がない」と思い込んでおり、次男もそのつもりで遺産分割協議を進めていました。
しかし、代襲相続を正しく理解していなかったため、法定相続分の計算が間違っており、専門家が介入して円満に解決しました。


第8章|まとめ|代襲相続も相続対策の一部です

代襲相続は、孫が相続人になる特別なケースですが、決して珍しいものではありません。
親が先に亡くなることは誰にでも起こり得るため、事前の準備と正しい知識が大切です。

代襲相続を見据えた遺言書の作成や、家族への周知、相続税の試算など、できる準備はたくさんあります。
相続は「争族」になりやすいものですが、事前の対策で円満に進めることが可能です。


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