年末のご挨拶と、これからの相続対策について
― 今年も多くのご相談をありがとうございました ―
相続診断士・プライベートコンサルタント
乾 浩一(いぬい こういち)
今年も残すところ、あとわずかとなりました。平素より「世田谷・三軒茶屋相続相談センター」のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
2025年も、多くの方から相続に関するご相談をお寄せいただきました。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
相続は「人生で何度も経験するものではない」からこそ、
・何から始めればよいのかわからない
・誰に相談すればよいのかわからない
・本当に今、対策が必要なのかわからない
そのようなお悩みを抱えながら、勇気を出してご相談に来られる方がほとんどです。
私は、相続診断士・プライベートコンサルタントとして、
「専門用語をできるだけ使わず、今の状況を正しく整理し、将来の不安を一つずつ減らしていく」
そんなお手伝いを心がけて、日々ご相談に向き合ってきました。
今年一年を振り返って感じた「相続相談の変化」
今年特に感じたのは、
「相続は“まだ先の話”ではなくなってきている」
という実感です。
実際に、今年ご相談いただいた内容を振り返ると、次のようなケースが非常に増えました。
- ご両親が高齢になり、将来に備えて準備を始めたい
- 一次相続(配偶者が亡くなった後)を終え、二次相続が心配
- 不動産が中心の相続で、分け方に不安がある
- 相続税がかかるかどうか、正確に知りたい
- 兄弟姉妹間で、今後揉めないか不安
- 認知症になる前に、何か対策ができないか
こうしたご相談の多くは、
「何か起きてから」ではなく「何も起きていない今」 に動き出された方々です。
その結果として、
- 相続税を大きく抑えられた
- 家族間の話し合いがスムーズに進んだ
- 不安が整理され、精神的に安心できた
という声を数多くいただきました。
相続対策は、「早すぎる」ということはありません。
むしろ、早いほど選択肢が多く、負担が少ないのが現実です。
令和8年度 税制改正大綱と、相続を取り巻く環境の変化
年末になると、必ず話題に上がるのが 「税制改正大綱」 です。
相続税そのものがすぐに大きく変わらなくても、
- 贈与の考え方
- 不動産の評価
- 法人活用
- 生前対策の有効性
こうした部分は、毎年のように少しずつ見直されています。
特にここ数年は、
- 「生前贈与=とりあえずやっておけば安心」という時代ではなくなった
- 相続時精算課税や暦年贈与の使い分けがより重要になった
- 不動産の保有・活用・売却の判断が相続税に直結するようになった
など、専門家の関与なしでは判断が難しい局面が増えています。
インターネットや書籍で情報を集めることはとても大切ですが、
「その情報が、ご自身のご家庭に本当に合っているか」
これは、個別に整理しなければ分かりません。
だからこそ私は、
税理士・司法書士・不動産の専門家などと連携しながら、ワンストップで相続対策を考えること
の重要性を、これからもお伝えしていきたいと考えています。
「相続対策=相続税対策」ではありません
ご相談の中で、よくある誤解があります。
それは、
「相続対策=相続税を安くすること」
という考え方です。
もちろん、相続税の負担を抑えることはとても重要です。
しかし、それだけに目を向けてしまうと、次のような問題が起きることがあります。
- 税金は下がったが、家族関係が悪化してしまった
- 不動産を残した結果、使いづらい財産になってしまった
- 配偶者や子どもが、将来困る形で資産が残ってしまった
本来の相続対策とは、
「残す人の想い」と「受け取る人の人生」
その両方を守るためのものです。
私はご相談の際、必ず次のような視点を大切にしています。
- 誰に、何を、どのように残したいのか
- 残された方が、将来困らないか
- 今の生活や安心が犠牲になっていないか
数字だけではなく、
「人」と「家族」に寄り添った相続対策
これが、プライベートコンサルタントとしての私の役割だと考えています。
相談に来られる方の多くが、最初に口にされる言葉
相談会で、最初にこうおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
「こんなことで相談していいのか分からなくて…」
「まだ何も決まっていないんですが…」
「何から聞けばいいのか分からなくて…」
ですが、どうかご安心ください。
相続相談は、
「何も分かっていない状態」から始めるものです。
むしろ、すべてが決まってしまってからでは、
できる対策が限られてしまうこともあります。
今の状況を整理し、
「何が心配なのか」
「何を知る必要があるのか」
それを一緒に確認することが、最初の一歩です。
年明けは【1月6日】から相続相談会を開催します
年明け 1月6日(月) より、
相続相談会を通常通り開催いたします。
- まだ具体的な対策を考えていない方
- 相続税がかかるかどうか知りたい方
- 不動産が絡む相続で悩んでいる方
- 二次相続まで含めて相談したい方
どのようなご相談でも構いません。
「今すぐ何かを決める必要」はありません。
まずは、お話を聞かせてください。
最後に ― 2026年に向けて
相続は、
「家族の歴史」と「これからの人生」
その両方に深く関わるテーマです。
だからこそ、
- 先送りにしすぎないこと
- 一人で抱え込まないこと
- 信頼できる専門家と一緒に考えること
これが何より大切だと、改めて感じた一年でした。
2026年も、
「相談してよかった」
「話を聞いてもらえて安心した」
そう感じていただける相続相談を、一つひとつ丁寧に行ってまいります。
本年も誠にありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えください。
そして、年明けにまたお会いできることを、心よりお待ちしております。
相続診断士・プライベートコンサルタント
乾 浩一


