不動産を兄弟で相続するときの落とし穴!共有より売却が安心な理由
こんにちは。世田谷・三軒茶屋相続相談センターの相続診断士の乾です。
相続において、不動産をどう分けるかという問題は、とても多くの方が悩まれるテーマです。
特に、「兄弟で共有名義にする」という選択肢は、一見公平に思えるものの、実は将来的なトラブルの火種になることが多くあります。
この記事では、
- なぜ「共有名義」はトラブルになりやすいのか
- 実際にあったトラブル事例
- 売却して現金化するメリット
- トラブルを避けるための事前対策
について、わかりやすく丁寧に解説していきます。
「うちは仲がいいから大丈夫」と思っている方にも、ぜひ読んでいただきたい内容です。
1. 共有名義の落とし穴|相続時にありがちな誤解
「親の自宅を兄弟3人で分けよう」「公平に1/3ずつにすれば揉めない」
そう思って不動産を共有名義で相続するご家庭は多いですが、これは将来のトラブルのもとになってしまいます。
■ 共有名義とは?
複数人が1つの不動産をそれぞれの持分割合で所有している状態です。
たとえば、
- 長男:1/2
- 次男:1/4
- 三男:1/4
というように名義を分けることができます。
■ なぜリスクがあるの?
共有名義には、以下のような問題が発生しやすいのです。
✅ 自由に売れない・貸せない
→ 不動産を売却するには、共有者全員の同意が必要です。
1人でも反対すると、売却ができなくなります。
✅ 誰が管理するかで揉める
→ 修繕費や固定資産税、賃料の管理など、実務を誰が負担するかでトラブルになりがちです。
✅ 共有者が死亡すると権利がさらに複雑に
→ 共有者が亡くなると、その持分がさらに相続されて、名義人が増えていくのです。
このように、共有名義は時間が経つほど「解決が難しくなる」性質を持っています。
2. 実際にあった共有名義のトラブル事例
▶︎ 事例①:老朽化した実家、売却の同意が得られず困った長男
世田谷区在住のAさん(70代)は、3人兄弟で親の自宅を相続しました。共有名義で1/3ずつ分けたものの、誰もその家には住んでいませんでした。
老朽化が進み、税金・管理費がかかるため売却を提案したところ、
- 「今はまだ売る時期じゃない」と次男
- 「手続きが面倒だから放置でいい」と三男
話し合いが平行線に。
結局、売却もリフォームもできず、空き家となり、近隣からのクレームも発生してしまいました。
▶︎ 事例②:相続人の1人が認知症に。売却できなくなったケース
相続時に母名義のアパートを兄弟2人で共有名義にしたBさん。
数年後、弟が認知症を発症。
不動産を売却するには本人の意思確認が必要でしたが、判断能力がないと判断され、家庭裁判所の後見人が必要に。
結果、売却には時間と費用がかかり、買主も離れてしまいました。
3. 不動産を現金化するメリットとは?
相続対策の専門家として、私たちが多くのケースでおすすめしているのが、
「不動産は共有にせず、売却して現金で分ける」
という方法です。
その理由は以下のとおりです。
✅ 1. トラブルを回避しやすい
現金なら、明確に分けることができます。
公平性も保ちやすく、相続人間の不満を減らすことができます。
✅ 2. 納税資金の確保がしやすい
相続税は、原則として現金で一括納付です。
不動産しかないと、
「売却して現金をつくる」「借入をする」などの対応が必要になります。
早めに現金化すれば、納税に困らず、手間とコストも削減できます。
✅ 3. 資産の再活用がしやすい
高齢者になってから不動産を相続しても、管理・運用するのは大変です。
現金化すれば、
- 自宅のリフォーム資金
- 老後の生活費
- 子や孫への贈与
など、柔軟に使うことができます。
4. 不動産の売却、具体的にはどうすればいい?
では、相続不動産を売却するには、どのような流れで進めればいいのでしょうか。
▶︎ ① 相続登記を行う
不動産の名義を亡くなった親から相続人へ変更する手続きです。
2024年からは相続登記が義務化され、放置すると過料が科される可能性もあります。
▶︎ ② 相続人間で売却の合意を取る
共有者がいる場合は、全員の合意が必要になります。
事前にしっかり話し合いましょう。
▶︎ ③ 不動産の査定を依頼する
いくらで売れるのかを確認するため、不動産会社に査定依頼を出します。
私たちの相談センターでも、信頼できる地元業者との連携でサポートしています。
▶︎ ④ 売却後、相続人で分配する
不動産が売却できれば、売却代金を分け合う形になります。
不公平感を減らし、納税にも対応できる、とてもスマートな方法です。
5. 生前対策の重要性|不動産は親が元気なうちに対策を!
相続が発生してから動くと、手続きも感情も複雑になり、対応が後手に回りがちです。
そのため、
- 「うちの家はどう分ければいい?」
- 「今から売却するのは可能?」
- 「生前贈与とどちらが得?」
といったことを生前にしっかり考え、準備することがとても重要なのです。
6. よくあるご質問
Q. 仲のいい兄弟ですが、共有でも大丈夫でしょうか?
仲が良くても、時間の経過や生活環境の変化によって、状況は変わります。
10年後・20年後のことも見据えて、共有よりも現金分割をおすすめします。
Q. 不動産を売却すると税金がかかりますか?
相続後に売却する場合、譲渡所得税がかかる可能性があります。
ただし、「取得費加算の特例」や「3,000万円控除」などの節税策もありますので、ご相談ください。
7. まとめ|兄弟での相続は「公平」と「円満」がカギ
この記事では、兄弟で不動産を相続する際にありがちな**「共有名義の落とし穴」**についてお伝えしました。
✔ 共有名義はトラブルのもとになる
✔ 売却して現金化するほうがスムーズで安心
✔ 生前に専門家と一緒に対策を考えることが大切
相続は「争族」とも言われるように、家族関係が壊れてしまうリスクもあります。
しかし、早めに対策をすることで、それらは確実に防ぐことができます。
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※この記事は、法律・税務の一般的な内容をもとに執筆しております。個別のご相談には、専門家のアドバイスが必要です。
【監修:世田谷・三軒茶屋相続相談センター】
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