空き家を放置すると税金が倍増?相続後すぐにやるべき対策とは(前編)

はじめに|「実家が空き家に…」そのまま放置していませんか?

「親が亡くなって実家を相続したけれど、誰も住む予定がないまま放置している」
実は、こうしたケースは近年とても増えています。

特に世田谷区や目黒区のように地価が高く、古い住宅が多く残る地域では、
**相続によって空き家を所有したものの、どう扱って良いかわからず、結局手つかずのまま……**というご相談が後を絶ちません。

ところが、空き家をそのままにしておくことには大きなリスクがあります。
放置すればするほど、税金の負担が重くなったり、近隣とのトラブルにつながったり、最悪の場合は行政代執行まで進むことも。

本記事では、空き家を相続した際に放置してはいけない理由、具体的なリスク、そして早期にとるべき対策について、専門家の視点から丁寧に解説いたします。


第1章|相続した空き家を放置するとどうなるのか?

1-1.固定資産税が大幅に増える可能性

空き家をそのままにしておくと、最もインパクトが大きいのが固定資産税の増額です。

通常、住宅が建っている土地には「住宅用地の特例(軽減措置)」が適用されており、
土地の固定資産税評価額は最大で6分の1に軽減されます。

しかし以下の条件に当てはまると、この軽減措置が解除されてしまいます。

◆「特定空き家」に認定されると…

  • 建物が著しく老朽化し、倒壊の恐れがある
  • ごみの放置や異臭などにより、近隣住民に悪影響を与えている
  • 適切に管理されていない状態である

この「特定空き家」に指定されると、固定資産税が最大6倍に増える可能性があるのです。

1-2.建物の劣化・損壊が進む

人が住んでいない建物は、想像以上のスピードで老朽化が進みます。

  • 通風・通水がないことで湿気がこもり、カビやシロアリが発生
  • 雨漏りによる内部の腐食
  • 外壁や屋根の崩落、倒木などの外部被害

こうした劣化を放置すると、いざ売却しようと思ったときに「解体費用がかさむ」「資産価値が大きく下がる」など、損失が拡大します。

1-3.近隣トラブルや防犯面の不安も

空き家は、以下のようなトラブルの温床になることがあります。

  • 雑草が伸びて景観を損ねる
  • ゴミの不法投棄や害虫の発生
  • 放火や空き巣などの犯罪リスク
  • 子どもが勝手に敷地に入って事故に巻き込まれる

「うちはまだ大丈夫」と思っていても、一度トラブルが起これば対応に追われ、精神的にも大きな負担となります。


第2章|空き家の活用方法とそれぞれのメリット・デメリット

では、相続した空き家をどう活用すれば良いのでしょうか?

ここでは大きく分けて3つの選択肢をご紹介します。


2-1.売却する

もっともシンプルで確実なのが「売却」です。

✅ メリット

  • 固定資産税や管理コストが不要になる
  • 現金化でき、相続人同士で分けやすい
  • 相続税や譲渡所得税の特例を使えることも

❗ デメリット

  • 思い出が詰まった実家を手放すことに抵抗がある
  • 市場価格より安くなる可能性もある

専門家による査定やタイミングの見極めが重要です。


2-2.賃貸に出す

建物がまだ使える状態であれば、「貸す」という方法も選択肢です。

✅ メリット

  • 安定した家賃収入が得られる
  • 売却せずに資産を保有し続けられる

❗ デメリット

  • 修繕や管理の手間がかかる
  • 借主とのトラブルや空室リスクも

2-3.建て替えやリフォームで活用

築年数が古い場合には、リフォームや建て替えを行って活用する選択肢もあります。

✅ メリット

  • 利用価値の高い物件に再生できる
  • 家族用・投資用など多目的に使える

❗ デメリット

  • 多額の初期投資が必要
  • 投資に見合った回収ができるかの見極めが難しい

    ※この続きでは、「売却に向いているケースの判断基準」「空き家特例の活用方法」「相談事例」など、実践的な内容に進めていきます。