相続した不動産の売却でかかる税金は?節税対策のポイントを解説
相続した不動産を売却する際、「どのくらいの税金がかかるのか?」と不安に感じる方は多いでしょう。
実は、相続した不動産を売却するときには、「相続税」だけでなく「譲渡所得税」など複数の税金が発生する可能性があります。
また、売却のタイミングや方法によって、税負担が大きく変わることもあります。適切な節税対策を取らなければ、思わぬ税金を支払うことになりかねません。
そこで今回は、相続した不動産を売却する際にかかる税金の種類や、節税対策のポイントをわかりやすく解説します。
1. 相続した不動産の売却でかかる税金の種類
相続した不動産を売却すると、次のような税金がかかる可能性があります。
1-1. 相続税
まず、相続時に支払う「相続税」です。相続税は、相続した財産の総額が**基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)**を超えると発生します。
しかし、不動産の評価額は**「路線価」や「固定資産税評価額」に基づくため、市場価格より低くなることが多い**ため、不動産の評価額によっては相続税が発生しないケースもあります。
✅ ポイント
✔ 不動産の評価額を適正に計算し、相続税の負担を最小限にする
✔ 生前贈与や小規模宅地等の特例を活用して、相続税を減額する
1-2. 譲渡所得税(売却時に発生)
相続した不動産を売却すると、「譲渡所得税」がかかります。
📌 譲渡所得税の計算方法譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)
この「譲渡所得」に対して、所得税・住民税がかかります。
所有期間 | 税率(所得税 + 住民税) |
---|---|
5年以下(短期譲渡所得) | 39.63%(30.63% + 9%) |
5年超(長期譲渡所得) | 20.315%(15.315% + 5%) |
相続の場合、所有期間のカウントに注意!
相続した不動産の所有期間は、被相続人(亡くなった親など)が取得した時点からカウントされます。そのため、長期間保有していた不動産を相続した場合、長期譲渡所得として**低い税率(20.315%)**が適用される可能性があります。
✅ ポイント
✔ 5年以上の所有期間がある場合は売却時の税率が低くなる
✔ 譲渡費用(仲介手数料・測量費など)を正しく計上し、課税所得を減らす
1-3. 住民税
不動産を売却して譲渡所得が発生すると、住民税もかかります。
住民税は、譲渡所得に対して短期譲渡所得なら9%、長期譲渡所得なら**5%**の税率で計算されます。
1-4. 登録免許税(相続登記)
相続による名義変更をする際に、「登録免許税」がかかります。
📌 登録免許税の計算式固定資産税評価額×0.4固定資産税評価額 × 0.4%固定資産税評価額×0.4
✅ ポイント
✔ 相続登記は2024年から義務化されるため、早めに対応する
2. 相続した不動産の売却で使える節税対策
不動産の売却時にかかる税金を抑えるために、以下の節税対策を検討しましょう。
2-1. 取得費加算の特例を活用する
相続税を支払った場合、「取得費加算の特例」を活用すると、売却時の課税所得を減らすことができます。
📌 取得費加算の計算方法取得費加算額=支払った相続税×(売却した不動産の相続税評価額÷相続財産の合計額)取得費加算額 = 支払った相続税 ×(売却した不動産の相続税評価額 ÷ 相続財産の合計額)取得費加算額=支払った相続税×(売却した不動産の相続税評価額÷相続財産の合計額)
この特例を使えば、譲渡所得税を抑えることが可能です。
✅ ポイント
✔ 相続税を支払っている場合は、取得費加算を活用して税負担を減らす
2-2. 3,000万円の特別控除を利用する
相続した不動産を売却する場合、一定の条件を満たせば「3,000万円の特別控除」が適用され、譲渡所得から3,000万円を差し引くことができます。
📌 適用条件(例)
- 相続開始から3年以内に売却すること
- 相続人が相続後に居住していないこと
- 親族や特定法人に売却していないこと
✅ ポイント
✔ 相続した不動産を売却するなら、3年以内が節税のチャンス!
2-3. 不動産売却のタイミングを考える
不動産市場の動向を考慮して、売却のタイミングを見極めることも重要です。
- 不動産価格が高騰している時期に売ると利益が大きくなる
- 相続開始から5年以上経過後に売ると、税率が下がる(短期譲渡所得 → 長期譲渡所得)
✅ ポイント
✔ 市場の動向を見ながら、最適な売却時期を決める
3. まとめ|相続した不動産を売却する際は税金対策が重要!
相続した不動産を売却すると、相続税だけでなく譲渡所得税や住民税などの税金が発生します。
✔ 売却時の税金を抑えるために、節税対策を活用する
✔ 取得費加算の特例や3,000万円特別控除をチェックする
✔ 売却のタイミングを工夫し、税負担を軽減する
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