不動産相続で失敗しないために！売却前にやるべき3つのこと

2025年3月2日 2025年2月26日

相続診断士　FP技能士　乾浩一

相続によって不動産を受け継いだとき、多くの方が「売却した方がいいのか」「そのまま保有するべきか」迷われます。

特に、世田谷区や目黒区など都市部の不動産は価値が高いため、売却すればまとまった現金を手にできる一方で、適切なタイミングや方法を誤ると**「売らなければよかった」「税金が高くついた」**と後悔することもあります。

本記事では、相続した不動産を売却する前に必ず確認すべき3つの重要なポイントを解説します。不動産相続で後悔しないために、ぜひ最後までご覧ください。

1. 相続した不動産を売却する理由を明確にする

まず最初に、不動産を売却する理由を整理しましょう。売却を決める際は、目的をはっきりさせることが重要です。

1-1. 相続税の支払い資金を確保するため

相続税は、原則として現金で一括納付しなければなりません。しかし、相続財産のほとんどが不動産で占められていると、現金が不足して納税資金を確保できないケースが発生します。

💡 こんなケースは売却を検討！
✔ 相続税の納税期限（10ヶ月以内）に現金が用意できない
✔ 他に金融資産が少なく、売却以外に資金調達の手段がない

この場合、納税期限を過ぎると延滞税が発生するため、できるだけ早めに売却を進めることが重要です。

1-2. 相続人間での公平な分配のため

不動産は、現金や預貯金のように簡単に分けられないため、遺産分割でトラブルになるケースが少なくありません。

例えば、

長男が実家に住み続けたいが、次男は売却を希望している
不動産を相続した相続人だけが負担を強いられる

このような場合、不動産を売却して現金化すれば、平等に分配しやすくなります。

1-3. 空き家を維持する負担を避けるため

相続した不動産をそのまま放置してしまうと、次のような問題が発生します。

⚠ 空き家を放置するデメリット

固定資産税・管理費の負担が増える
老朽化が進み、修繕費がかかる
倒壊や火災のリスクが高まる

空き家の維持が難しい場合は、早めに売却を検討することで、管理の負担を軽減できます。

2. 売却前にやるべき3つのこと

2-1. 不動産の「相続登記」を済ませる

相続した不動産を売却するには、まず**名義変更（相続登記）**を行う必要があります。

🔹 相続登記とは？
不動産の名義を、被相続人（亡くなった方）から相続人へ変更する手続き。

2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続から**3年以内に登記しないと過料（罰則）**が科される可能性があります。

🏠 相続登記に必要な書類

被相続人の戸籍謄本
相続人全員の戸籍謄本
遺産分割協議書（遺言がない場合）
不動産の登記簿謄本

📌 相続登記をしないと…
✔ 売却手続きが進められない
✔ 相続人同士でトラブルになる可能性がある

そのため、できるだけ早めに登記を済ませることをおすすめします。

2-2. 売却時の税金や特例を確認する

不動産を売却する際、譲渡所得税（売却益に対する税金）が発生する可能性があります。

💰 譲渡所得税の計算方法売却価格−(取得費+譲渡費用)=譲渡所得\text{売却価格} - (\text{取得費} + \text{譲渡費用}) = \text{譲渡所得}売却価格−(取得費+譲渡費用)=譲渡所得譲渡所得×税率（15〜30\text{譲渡所得} × 税率（15〜30%） = \text{納税額}譲渡所得×税率（15〜30

ただし、3,000万円特別控除などの特例を適用できるケースもあります。