相続放棄を選ぶべきか？メリット・デメリットを徹底解説
相続診断士 FP技能士 乾浩一はじめに
「相続放棄」という言葉を聞いたことはありますか？
相続放棄とは、 被相続人（亡くなった人）の財産を一切相続しないと決めること を意味します。
一般的に相続というと、 遺産を引き継ぐこと をイメージされるかもしれません。しかし、 相続には「プラスの財産」だけでなく、「マイナスの財産（借金など）」も含まれる ため、状況によっては相続放棄を選択する方がよい場合もあります。
本記事では、
✅ 相続放棄とは何か？
✅ 相続放棄のメリットとデメリット
✅ どのようなケースで相続放棄を検討すべきか
✅ 相続放棄の手続きと注意点
について わかりやすく解説 していきます。
「親が亡くなった後、相続について考えなければならない…」
「親が借金を抱えているかもしれないけれど、どうすればいいの？」
このような悩みをお持ちの方は、ぜひ最後までお読みいただき、 相続放棄が適切な選択かどうかを判断する材料にしてください。
1. 相続放棄とは？
相続放棄とは、 被相続人の財産（プラスの財産もマイナスの財産も含む）を一切引き継がないとする手続き です。
1-1. 相続放棄の基本ルール
- 相続放棄は家庭裁判所で手続きが必要
- 一度相続放棄をすると、撤回できない
- 相続放棄をすると、その人には最初から相続権がなかったものとみなされる
1-2. 相続放棄が適用される範囲
✅ プラスの財産（現金・預貯金・不動産など） → 相続しない
✅ マイナスの財産（借金・ローン・未払いの税金など） → 引き継がない
相続放棄をすると、 借金などの負債も含め、一切の財産を引き継がないことになります。
ただし、相続放棄を選択した場合の影響も考慮する必要 があります。
2. 相続放棄のメリット・デメリット
2-1. 相続放棄のメリット
✅ 借金を引き継がなくて済む
→ もし被相続人が大きな負債を抱えていた場合、相続放棄をすることで 借金の返済義務がなくなる ため、安心して生活できます。
✅ 相続争いを避けられる
→ 相続トラブルが発生しそうな場合、 相続放棄をすることで争いに巻き込まれずに済む ことがあります。
✅ 二次相続の負担を減らせる可能性がある
→ 一次相続で財産を配偶者に集中させると、二次相続時の税負担が大きくなる ため、戦略的に相続放棄を選択することも考えられます。
2-2. 相続放棄のデメリット
❌ プラスの財産もすべて放棄しなければならない
→ 相続放棄は「借金だけ放棄する」ということはできず、 現金や不動産などのプラスの財産もすべて相続できなくなる ため、慎重に判断する必要があります。
❌ 他の相続人に負担がかかる
→ 相続放棄をした場合、次の順位の相続人に相続権が移ります。そのため、 他の家族に思わぬ負担がかかる可能性 があります。
❌ 相続放棄の手続きには期限がある
→ 相続放棄の申請は、相続開始を知った日から3か月以内 に行う必要があります。
3. 相続放棄を検討すべきケース
次に、 どのような状況で相続放棄を選択すべきか を見ていきましょう。
3-1. 被相続人に多額の借金がある場合
親が生前に 借金やローンを抱えていた場合、その負債は 相続人が引き継ぐことになります。
相続放棄をすれば、借金を負担する必要がなくなるため、適切な選択肢となる可能性があります。
3-2. 相続財産よりも負債の方が多い場合
プラスの財産があったとしても、 負債の方が多い場合は、相続放棄をした方が合理的 です。
相続財産を正確に把握したうえで、 総額で判断することが重要 です。
3-3. 兄弟姉妹や他の相続人に財産を譲りたい場合
「自分は相続を必要としないが、兄弟姉妹に多くの財産を譲りたい」という場合、 相続放棄をすることで、他の相続人に財産を集中させることができます。
ただし、税負担がどうなるかは慎重に検討する必要があります。
4. 相続放棄の手続き方法と注意点
相続放棄をする場合、 家庭裁判所での正式な手続きが必要 です。
4-1. 相続放棄の流れ
① 相続の開始を知った日から3か月以内に手続きを行う
② 必要書類を準備（戸籍謄本、相続放棄申述書など）
③ 家庭裁判所へ申請
④ 審査の結果、相続放棄が認められる
4-2. 注意点
- 3か月の期限を過ぎると相続放棄ができない
- 一度放棄すると、後から撤回できない
- 次の相続順位の人に負担がかかる可能性がある
これらの点を考慮し、 相続放棄が本当に最適な選択かどうか慎重に判断することが大切 です。
5. まとめ：相続放棄を検討するなら早めの相談がカギ！
相続放棄は 「借金を相続しないための有効な手段」 ですが、
すべての財産を放棄することになるため、慎重な判断が必要 です。
相続放棄をするかどうか迷った場合は、 専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要 です。
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